楽市【2022年7月号】

本日は日本一暑い日を記録した勝沼の楽市でした。

いつも来てくださる、おじさまと出店者のみなさんで暑いねぇなんて語り合ったり。

木の根元にお花が並んでいる花えんぴつさんのお花が、かわいらしかったり。

かえるさんの駄菓子や遊びは本日も大好評。

LOHASの姉さんは会場内にかかる音楽に今日も全力です。

さて、今回は、「森林浴さんぽ」に注目してみます。

楽市に毎回出店していただいています、森林浴ガイドの本間啓子さんと、
楽市の会場となっている立正寺の周りにある森へ出かけます。

楽市スタッフ(左)と森林浴ガイドの本間啓子さん(右)

毎回、気になってましたが参加するチャンスがなく。今回やっと初体験です。

出発の前に虫除けのネットを装着します。
ハチミツ採集に行くみたい。
この時はまだこのネットのありがたみをちゃんとわかっていませんでした。

出発して1分。啓子さんに言われて見上げると針葉樹に囲まれていました。
「何か匂いませんか?」ということでクンクン。多分・・これが木の香り・・?

許可を得て植物を採取しています。

さらに進んでいった先で啓子さんが木の葉っぱを採っています。

ちぎってすぐ葉っぱを手で包んで匂いを嗅いでみると、
強い柑橘系の香りがします。「これがフィトンチッドという成分なんです。」とのこと。

フィトンチッドとは植物が虫や微生物から自己防衛のために出す揮発性の成分で、
ロシア語で「フィトン」は「植物」、「チッド」は「殺す」という意味合。
「植物が殺す」ってなんだか怖いイメージですが、我々人間には心拍や血圧などを安定させ、リラックス状態に導いてくれるなど様々な良いことをもたらしてくれる物質だそうです。

柑橘系の香りがするこの葉っぱは柚でした。
我々人間はこの香りに癒されますが、小さな虫たちにとっては脅威となるんですね。

道中で出会った大きな木。
その幹に触れてみます。

普段、人工的なものに囲まれて生活している現代人。
触れるものの多くがツルツル、カチカチ・・・。それって実はストレスで、
植物や土、動物など、自然のものに触れることに人間は癒しをもらえるそうです。
フワフワ、チクチク、でこぼこ、ゴツゴツ・・
少し触れるだけでなんだかじんわり、温かな気持ちになるような。
普段も木を目にする機会はありますが、こんなにしみじみと触れたことはなく、意識して触れると驚くほどの癒しがありました。

日陰で身体の芯からほぐれる体操を教えていただきました。
カチコチだった肩や背中が、嘘みたいに柔らかくなり、呼吸が楽に。
息を深く吸えるようになりました。

苔にも触れてみます。
苔の種類は数えきれないほどあるそうですが、この苔はふわふわ、カサカサ乾燥していました。

銀杏の木の下には、銀杏の赤ちゃんがたくさん

この辺に。
と木々の下に座ってみます。

本日の森林浴のメインはここ。
人間にとって癒し効果のあるフィトンチッドは木の下に多く溜まっているそうです。
なので、森に寝転ぶとその効果は最高に。
でも今回は蚊などの虫対策で座るまでとなりました。

このフィトンチッドは植物自らの生存領域に害となる植物を無駄に繁殖させない効果もあるために、雑草も生えにくいとのこと。
確かにこの木々の下は雑草が少なく、他で大量発生していた蚊等の虫も比較的少なかったように感じます。

雑草に困っているところにはフィトンチッドを多く出す針葉樹を植えようかしら。

このフィトンチッドという物質の驚くべき話はまだあり、
“植物同士がフィトンチッドを出し合って会話のツールにしている。” という研究もあるそうです。

「害虫がきたよー」と
周囲の木々に教えると、その情報から虫が嫌がる物質であるフィトンチッドを出す。

能力の高さに感服します。

フィトンチッドで癒してもらいながらも、我々人間たちは、都合よく木々を扱います。

でもそれは致し方ないことで、うまく共存しあっていかなければいけないな。と
木に触れながら、ありがとうとごめんなさいを想いました。

さんぽも終盤。
とても大きいキノコがありました。

キノコ博士が触っています。キノコはむやみに絶対に触れないでください。

キノコって生えてるの一瞬だったりするそうです。
さっきあったのに再び訪れたら消えてる!とか。
キノコのだいたいは幻の存在なのかもしれません。

さんぽから帰ってくると、
いくら頭を防御していたとはいえ、
フィトンチッドが出ていたとはいえ、
皮膚が露出していたところはやはり蚊の被害に会っていました。

痒い痒い言ってたら、啓子さんが処置してくれたのは重曹を患部に盛る技。
重曹に水分を含ませ、蚊に刺されたところに盛り塩のように重曹をつけます。

本当に?こんなんで?
と正直なところかなりの痒みがあったのですが、
重曹が乾いた頃、痒みが不思議と消えていました。

虫の毒は酸性で、重曹のアルカリ性に反応して中和されることで、毒が消えて痒みが無くなるそうです。重曹すごい!
信じるか信じないか、ぜひお試しください!

ちなみに、虫刺されや痒みが大嫌いな私は、この後、薬局に走りました。

学びと癒しがたっぷりの森林浴さんぽでした。
本来の森林浴はもっと時間をかけてゆっくりゆっくり・・。
とのことですが、楽市の森林浴さんぽは気軽なショートバージョン。
それでもとても充実した時間を過ごせました。ぜひお勧めしたい体験です。

参加の際には、植物の繊細な香りを嗅ぐ体験がありますので、蚊取り線香をはじめ、
香りの強い香水や柔軟剤などは身につけないように気をつけてください。
蚊などからの防御は皮膚が出ない衣類がお勧めです。

さんぽの後はsloth kitchenさんのキーマカレー。
それはそれは美味しかったです。
心もお腹も満たされました。

森林浴さんぽも体験できる楽市は
毎月第四土曜日の開催です。

楽市
毎月第4土曜日 10:00-15:00
〒409-1304 山梨県甲州市勝沼町休息1713 立正寺 (勝沼ぶどう郷駅より 約4.6km 車約8分)
駐車場:ワイングラス館と立正寺駐車場 約50台

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